婚活アプリで出会い

婚活アプリで出会い5か月で結婚、「合理的な恋」の今…全てをAIで決められるのか

2022/12/29(木) 9:30配信 読売新聞オンライン

 結婚したカップル10組に1組以上がネットで出会っている。こんなデータを国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が公表した。婚活アプリの隆盛で男女の出会い方はこの10年で大きく変わった。果たしてどのようにしてカップルたちは出会っているのだろうか。

理想の”妻”は「年収400万円以上」……

 都内に住む会社員、伊東諒斗さん(28)は昨年10月、妻の万澄さん(30)と結婚した。婚活アプリで出会った2人は、都内の賃貸マンションで暮らしている。

「出会う場がなかったので……。アプリを使えば結婚できるかなと思って」

 諒斗さんが言う「出会いがない」というのは「理想の人」との出会いがなかったということだ。背が高く、話が面白く、年収は400万円以上。これが彼の高校生の頃からの理想だったという。一方、妻の万澄さんの理想は「海外志向のある人」。留学経験があった諒斗さんは、万澄さんにとっても条件を満たしている。

 2人はアプリ上で“マッチ”してからデートを約1か月間で5回ほど重ねて交際スタート。そして、そこからわずか3か月で婚約、その1か月後に結婚した。

 互いに結婚の意思を明らかにしているから、話が進むのが早い。諒斗さんは「初めて会ったときから結婚したいと思った。運命の人だと思ったので、結婚できて幸せです」とはにかんだ。

2人のように婚活アプリで出会う人が急増している。「出会いの少なさ」の正体

 実は、諒斗さんの「出会いのなさ」は彼に限ったことではない。

 社人研が2022年9月に公表した「出生動向基本調査」によると、未婚者(25~34歳)に独身でいる理由をたずねたところ「適当な相手にめぐり会わない」が男性で43・3%、女性で48・1%と最も多かった。

 一方で、この調査では、未婚者(18~34歳)に結婚する意志があるかをたずねており、「いずれ結婚するつもり」と答えた人は男性で81・4%、女性で84・3%いる。つまり、結婚したくても適当な(=結婚したいと思える)相手と出会えていないというのが実態だ。婚活アプリはこのニーズを捉える。社人研によると、結婚したカップルの13・6%が婚活アプリなどのネットを介して知り合っている。